- 三井塾さんがよさそうなのは、ホームページなどを見てよくわかりました。でも、実際のところどうやって授業を進めているんですか?
- 以下で、小・中・高クラスごとの授業の進め方について紹介させていただきます
小学生クラス(50分/日)
小学生クラスは、ジュニアコース・受験対策マンツーマンコース・受験対策少人数コース(GRIT)がございます。
こちらでは、もっとも代表的な「ジュニアコース」の授業について紹介させてください。
1.着席
決められた座席に着席してもらいます。
2.宿題の提出
宿題(国語・算数)を講師に提出し、それを講師が丸つけ(採点)をします。
宿題のおもな目的は「現状把握」です。
前回の授業内容を、どのくらい理解できているかの確認をしています。
多くのケースにおいて、宿題を提出する日は別の科目の授業日になります。
そのため、宿題の間違いが少なくて時間的に余裕のある生徒はその日のうちに直してもらいますが、間違いが多い生徒の場合は次回以降の授業で行います。
また、授業内容は講師が宿題の出来(理解度)に応じて決めております。
宿題の問題をもう一度解いてもらう場合もありますし、先に進む場合もあります。
3.基礎学力の養成
座席にタブレットが置いてありますので、15分間アプリで基礎学力の問題を解いてもらいます。
国語の授業日は漢字の読み書き(タッチペンで文字を書くことができます)、算数の授業日には計算問題を行います。
なお、理科・社会の授業日は、アプリを使わずすぐに授業に入ります。
4.授業
残りの時間(約35分)は、プリント形式の教材で個別学習をしてもらいます。
当塾の小学生クラス(ジュニア)の教材の大きな特徴は、以下の2つです。
- ひとつは、スモールステップの教材であること
- もうひとつは、自分で考えさせる問題が多いこと
すでにお気づきのとおり、本教材は新学習指導要領に基づき「思考力」・「判断力」・「表現力」を身につけることを目的としています。
例えば算数であれば、2人の子どもの会話が描写されており「どちらの子の考え方が正しいと思いますか?」、また「もうひとりの子の考え方は、なぜ間違っていると思いますか?」といった問題があります。
ちなみに、こういった問題を解くのが苦手なお子さんでもちゃんと対応できるように作られているんですね。
どういうことかと言うと、先のような文章題などは“解き方”が薄い字で記述されていて、それをなぞるところからはじめます。
解き方を読んだり、頭の中だけで考えるのではなく実際に読み・書き・考えながら解き方を覚えることができます。
また「図形問題」などは、着眼点が解説されています。
例えば、正方形の中にある図形の面積を求めるような問題は、解き方のプロセスを細かく解説しています。
さらには、文章題も図形問題も単元の最初はプロセスが細かく解説されていますが、単元を進めるにつれてだんだんと解説がカットされていき、最終的には何も解説がなくなります。
こうしたスモールステップを経て、解説に頼らずに解けるようになります。
4-1.つまずきを早期発見、早期解決
スモールステップは、講師も生徒の理解度が把握しやすいという利点もあります。
そのため、仮につまずきがあっても早期に対処することができます。
講師は、教室全体を見渡しながら手が止まっている生徒がいないかをつねにチェックしております。
そして、手が止まっている生徒に関しては“どこで手が止まっているのか?”を把握し、必要に応じて「何かわからないところある?」と声かけする場合もあります。
しかし、自分で考え正解できることがもっとも学力の定着につながることから、講師はなるべく見守るよう心がけております。
ちなみに小学生の場合、手が止まっている多くはわからないというより「めんどくさい」や「疲れた」といった理由だったりします(笑)。
終了前に、その日の学習内容に関連した宿題を提示します。
5.ファイルに記入
毎授業の最後に、ファイル(上記画像)を書いてもらっています。
これによって、講師が生徒についてや生徒の考えを深く理解することができます。
そしてその結果、ひとりひとりに合わせたよりよい指導法を見出しております。
このとき、どんな内容でも書けていることを褒めるようにしています(そのうえで、よりよい内容が書けるようアドバイスをすることもあります)。
ファイルを書かないかぎり帰れないので、子どもたちも何としてでも書くべき内容を絞り出すんですね。
実は、このように自分で考えて書くことで主体性が育まれています。
そして、ファイルを書き上げることで褒められ、自信になり、前向きになり、より主体的になっています。
中学生クラス(50分 x 2/日)
小学生に比べて、自立的(自律的)に学習ができるような授業を行なっております。
1.着席
決められた座席に着席してもらいます。
2.確認テスト(5〜10分)
生徒が来塾するまでに、机に個別の「確認テスト」を置いていますので、それを解きはじめてもらいます(※確認テストは、生徒ごとに内容が異なります)。
後述しておりますが、私たちは確認テストをとても重視しています。
結果的に、確認テストだけで50分(1コマ)つぶれてしまうケースもあります。
2-1.なぜ、確認テストが重要なのか?
まず、確認テストの問題は前回およびこれまでに習った授業内容に関するものです。
ただし、どの教科のテストになるかはわかりません(計算問題が多くなる傾向がありますが、テスト前などには理科や社会のテストをすることもあります)。
その理由として、確認テストの範囲を伝えてしまうと短期記憶で覚えてくる生徒もいるため、テストの意味がなくなってしまうからです。
また確認テストは、毎回、生徒の学力に合わせたオリジナルテストを作成しています。
そのため、同じ学習範囲でも生徒の学力ごとに難易度が違います。
確認テストの目的は、これまでの学習の理解度を把握することです。
丸つけ(採点)を講師が行い、2問以上不正解だったら「再チャレンジ」です。
再チャレンジは、別の類題の確認テストを行ってもらいます(※間違った問題だけを解き直すわけではありません)。
このとき講師は、間違いの原因がケアレスミスなのか?根本的に理解していないのか?を把握しています。
ですので、ケアレスミスの生徒はすぐに再チャレンジし、理解度が低い生徒には解説してから再チャレンジしてもらっています。
ちなみに、再チャレンジも2問以上不正解だと「再々チャレンジ」になります。
このように、確認テストがクリアできなければ今日の授業に入ることはできません。
そのため、確認テストだけで50分(1コマ)つぶれてしまうケースもあります。
2-2.授業進度より理解度を重視する理由
私どもといたしましても(本音を言えば)カリキュラムをこなさなければいけないと考えることもございます。
ですが、カリキュラムを気にして先に進めてもつまずきがあるかぎりは先の単元でも間違いつづけることになります。
そして、学校のテストや入試では再チャレンジはありません。
だからこそ、1回で着実に正解できる学力を身につけることが大切だと考えております。
私たちの長年の観察では、しっかりとひとつひとつの問題を着実に理解し、正解できることをめざすほうが結果的に点数・成績は伸びる傾向がございます。
そして、学校の単元にも追いつくこともできます。
また、確認テストは決して難しい出題はありません。
にも関わらず、不正解になるということは明確なつまずきです。
そのため、着実につまずきをクリアにしなければいけません。
2-3.当塾は、厳しいです
ちなみに、体験授業後に生徒が感想として保護者の方に「先生、優しかった」と言うと「厳しくしてください」と要望されることがございます。
そして、このときの“厳しくしてください”は「叱ってください」とほぼ同意であることがほとんどです。
ですが、当塾はやみくもに生徒を叱ることはございません。
しかしながら、授業では上記のようにできるまで先には進めませんし、できるまでやりつづけなければいけない塾です。
そういう面では、厳しい塾だと思っております。
また、当塾は集団塾や他の個別指導塾に比べて圧倒的に解いている問題の量が多いです(授業時間のほとんどが問題を解いています)。
この点においても、講義がほとんどなくずっと問題を解きつづけるほうがお子さまにとっては、他塾さんより厳しいと言えます。
2-4.当塾と他塾の違いにつきまして
ちなみに、集団形式の学習塾は形態が学校と似ているため、授業のほとんどが講義に充てられます。
そして、授業で問題を解く量が少ない分、問題を解くのは家庭学習に任されます。
また、個別指導塾は講義+わからないところを教わる学習形態です。
さらには、1対1の個別指導は集団塾と似ている(講義が長い)傾向があり、1対2などの個別指導では、わからないところを教わる(家庭教師に似ている)傾向があります。
わからないところだけを教わるのは、どちらかと言うと成績上位のお子さま向きの学習形態だと私たちは考えております。
それに対し「自分がどこからわかっていないのか把握できていない」、「何がわからないのかがわからない」といったお子さまには、問題を解きつづける学習形態が望ましいと考えます。
なぜなら、問題をたくさん解いたほうが「何がわからないのか?」がお子さまも講師も認識がしやすいからです。
私どもは、生徒に「できない・わからない所」を認識させてあげることも講師の大きな役割であると考えております。
2-5.真剣に勉強に取り組むようになります
授業では、わからないところをなくした状態で終わるようにしています。
ですが、実際は「わかったつもり」や「忘れてしまう」ことも多々ございます。
そのため、確認テストで解けないこともあるんですね。
「わかる」と「できる」は違います。
そのため、私たち講師は口酸っぱく「翌日には半分以上は忘れるよ、だから何回も解くことが大切だよ」と伝えるようにしています。
必ず忘れるわけではありませんが、学んだことをちゃんと身につけるためには忘れることを前提で、くり返し問題を解くことが大切だと考えております。
どの生徒も、再チャレンジにはなりたくないはずです。
しかし、はじめのほうでもお伝えしたように、どの教科のテストになるかわからないので復習しづらいという面もあります。
そのため、それでも再チャレンジにならずに済むには、毎回の授業をどれだけ真剣に取り組むか?にかかっています。
3.授業(40〜45分)
テスト前でなければ、基本は数学・英語を勉強してもらいます。
1日の授業(2コマ〜)の中で、数学・英語をやる生徒もいれば、1日でどちらかだけをやる生徒もいます。
基本的には、学習内容の判断は生徒に任せています。
理由としては、学校の授業でわからないところが出てきた場合、生徒たちがその内容の勉強をしたがることがあるからです。
教材は、塾でお渡しているテキストを使用します。
教材には解説が書かれていますので、解説を読んで理解した後は、問題を解いてもらいます。
その際、解説を読んでわからない部分があれば、講師に質問するよう伝えています。
ちなみに、このときの質問の仕方も大切だと考えています。
「ここまではわかったけれど、ここからがわからない」といった質問をしてもらうようにしているんですね。
それに対して、ただ「わかりません」と言われても即答しません。
どこまでわかっているのか?を伝えないと、手伝わないようにしています。
なぜなら、先にもお伝えしたように生徒に「できない・わからない所」を認識させてあげることが講師の役割であると考えているからです。
3-1.着実に理解するために
解説は読んだけれど理解できていないケースには「今、読んだところ先生に説明してみて」と聞くこともあります。
そして、説明ができなければもう一度読んで、その後に説明し直してもらうこともあります。
誤解を恐れず申し上げますと、とりわけ転塾してきた生徒は受け身の勉強に慣れてしまっていることが多いように感じております。
そのため「先生が説明してくれるもの」だと思っているんですね。
しかし当塾は、生徒に自分で考え、正解できる力を身につけてもらいたいので、上記の方法で生徒が主体的に学習を進められる学習環境を提供しています。
また「主体性を育む」ことは、新学習指導要領における大きなテーマのひとつでもあります。
そのため、主体性を引き出す一環として、学んだことを説明してもらうことがあります。
ちなみに、読解が苦手な生徒もいますので、その場合には映像教材などを用いてヴィジュアル(視覚的)で理解を促す場合もございます。
3-2.丸つけも自分で
中学生以降は、丸つけ(採点)も生徒自身がやります。
このとき、当塾オリジナルの「正直丸つけ」という方法を行なっています。
例えば、講師に質問して正解できた問題は丸の色を変えたり印をつけます。
その問題は、後で解き直しをして自分で正解できることをめざします。
それから、見開き1ページの問題を解くごとに採点するようにしています。
見開き1ページごとに採点するのは、正直、めんどくさいものなんですね。
そのため、4,5ページ解いてから採点したいのが生徒の本音だと思います。
しかし「どのように解答したのか?」は、解答したそばからすぐに忘れて行ってしまいます。
また、数ページ解いてから採点すると、どの問題を講師に質問したのか?も忘れてしまいます。
学力の定着および、できる・できない箇所の把握のためには、めんどうでも1ページごとの採点が大切だと考えています。
3-3.今日、何やればいいですか?は禁句
ちなみに、とりわけ中1の生徒などは「今日、何やればいいですか?」と聞いてくる生徒もいます。
しかし当塾では、この質問は当塾では禁句にしています。
もし「今日、何やればいいですか?」と聞かれたときには(少し意地悪かもしれませんが)講師は「勉強」と答えます。
私たちは、生徒に指示待ち人間になってほしくはありません。
ですので、毎授業の学習内容は生徒本人に決めてもらうようにしています。
ちなみに、こちらから提案することはあります。
生徒がまだ当塾に慣れていない時期などには、こんなやりとりを交わしています。
生徒「〜〜です」
講師「内容理解できた?」
生徒「微妙です」
講師「じゃあ、それやってみたら?(あくまで提案)」
ひととおりの勉強ができたら、自分でお家でやってくる宿題を決めます。
4.ファイルを書いて終了
毎授業の最後に、ファイル(上記画像)を書いてもらっています。
なお、中学生はファイルに宿題内容も記述してもらっています。
これによって、講師が生徒についてや生徒の考えを深く理解することができます。
そしてその結果、ひとりひとりに合わせたよりよい指導法を見出しております。
このように自分で考えて書くことで、主体性が育まれています。
また講師は、ファイルを見て宿題の内容・量が最適であるか?をチェックしています。
このような授業だと、50分受けただけでも疲れそうだと思われたかもしれません。
ですが実際は、生徒たちはどんどんその環境に慣れて適応してきます。
とりわけ、小学生から通っている生徒などは「勉強はこういうもの」だと思っているので、あまり苦もなく取り組んでいます。
高校生クラス(3時間/日)
高校生は、コマでの時間割がありません。
チャイムも鳴りません(4Fが、高校生専用の教室になっています)し、休憩時間も自分のタイミングで取ってもらっています。
ただし、勉強時間および曜日は入塾時に決めてもらっています(例:火曜日の19時〜21時)。
1日3時間まで勉強できますが、3年生でなければ2時間/日の生徒が多いです。
ですが、テスト2週間前からはオプションで授業を増やすことができるので、それで受講回数や時間が長くなるケースもございます。
授業
授業内容は、学校の課題(学校で提示されている英語や数学の問題集など)をやる生徒もいれば、学校の教材(学校の教科書や問題集)を使って、進度に合わせた授業を行う生徒もいます。
いずれにしても、解説を読んでどんどん問題を解いてもらっています。
中学生までは、解説を読んで理解できなければ講師に質問しなさいと伝えていますが、高校生になれば主体的に学習できる年齢でもありますので、そこまで細かく指示はしません。
また、理解できているかどうかは問題を解けばわかります。
そうして、問題をどんどん解くことで「できている・できていない」を仕分けしていきます。
ノートに問題を解いて採点し、テキストに○xをつけ、xの問題を解き直すということを反復します。
授業の後半には、問題を解いていてわからないところなどの質問に講師が答える時間を設けております。
学年ごとに学習目的が異なります
1年生の時点では、推薦入試か一般受験を決められないので、まずは学校の成績が取れることを目的に授業を行なっています。
2年生の夏ぐらいからは、受験勉強をスタートします。
受験勉強は、市販の参考書の中から問題をピックアップし、やり方(問題集の使い方)を伝えたうえで、自分で学習を進めてもらいます。
また、英語などは問題の音源を聴いて、それを音読するだけで問題は解かなくてもいいといったアドバイスをすることもあります。
いずれのケースも、生徒の学力や現状の課題、志望校などの状況を踏まえております。
2年生の時点でも、まだ推薦 or 一般を決められないので受験勉強と学校の授業の勉強を同時に進めなければいけません(3年生の夏ぐらいまでに決まります)。
ですので、2年生が一番大変かもしれませんね。
(ただし、1,2年生の時点で成績が芳しくなく推薦入試が無理であれば、一般受験するしかないので方向性は定まっています)
高校生は、毎回面談を行なっています
3年生は「通い放題コース」のみになりますので、基本、毎日塾に通ってもらっています。
受験勉強に関して「何を使ってどうやるべきか?」は、講師が伝えておりますが勉強する科目や内容は生徒本人に決めてもらっています。
また、高校生は塾に来るたびに面談をして進捗を確認しています。
「今日は、どんな勉強をやったのか?」、「学校の様子はどうか?」など、雑談をしながら学習の習熟度を把握しております。
高校生になると、生徒自身が「自分が何ができて、何ができていないか?」をきちんと把握できるようになっています。
わからないところは遠慮なく講師に伝えてくれますし、採点も自分でしているので習熟度の把握ができています。
ですので、できるかぎり自立的に勉強を進めてもらうようにしています。
なお、自分一人での勉強が不安な生徒は2F(中学生フロア)で勉強してもらっています。
このとき、解いている姿を見れば、講師は習熟度がわかります。
ちなみに、高校1,2年生は部活などもあり家で勉強する時間が取れない傾向があります。
そこで、2F(中学生フロア)で勉強している生徒は、無理のない量の宿題を講師が提示しております。
それに対して、4Fの生徒は「今月は、授業も含めてここまで終わらせよう」といった感じで、教材の到達点およびページを決めています。
そして、それに間に合うように塾と家で取り組んでもらうようにしています。